故郷
実はなおみは幼少期のほとんどをシンガポールで過ごしている。
だから「シンガポール国籍」もあながち嘘ではないのだ(嘘だけど)
そして4年前に大人になって初めてシンガポールを訪れ、自分が住んでいた家などを見に行ったのだが・・・
時が止まったかのようにそのままでびっくりした。
隣の家のへたくそなバイオリン弾きの台湾人は当然いなくなっていたが、家は昔のままだった。
一応開発地域になったらしく、ちょっとだけモダンなマンションが建っていたけど、昔買物したストアとか、ワンタンミーをテイクアウトした店はそのままだった。
周りを歩いて、近くのホーカーズにいって食事をした。
ここも何も変わってなかった。
よく考えてみたら、自分もそう変わっていなかった。
年は取ってしまったけれど。
あの頃も今と同じぐらいくだらないことに精を出していた。
子どもだから当たり前なのだが。
今が変なのか?
あの頃の友達がどうやらシンガポールに移住しているらしい。
会うことはないけど、自分の心の中でいろんな人が交差していくのは感慨深い。